横浜の川を歩く17 名瀬川

名瀬川(なせがわ)は、境川水系の二級河川だ。横浜市戸塚区名瀬町の戸塚カントリークラブ内を源流とし、横浜新道の上矢部IC付近で阿久和川に合流している。合流地点から名瀬遊水池までの二級河川部分は2,210mで、そこから源流までの約1.2kmは普通河川である。

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名瀬川源流付近の風景。かなり奥まった場所だが、1976年に相模鉄道いずみ野線が開通してから宅地化が進んだ。川の先に見える森に源流があるのだが、戸塚カントリークラブの敷地なので見ることができない。

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名瀬川系遊水池。相鉄いずみ野線の開業にあわせ、緑園都市一帯はニュータウンとして整備された。宅地化により土がコンクリで覆われると、豪雨時に雨水が大量に流れ込んで川が氾濫する危険があるため、ニュータウンを開発した業者の責任で遊水池が設置されている。緑園都市には「子易川系遊水池」と「名瀬川系遊水池」があるが、管理者は横浜市ではなく、開発業者の相鉄不動産だ。二つの遊水池の貯水量を合計すると101,139m3で、25mプール約207個分になる。名瀬川の下流には、横浜市が整備した「名瀬川遊水池」もあって、名前が似ているからちょっとややこしい。

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もうひとつの源流で、こちらも戸塚カントリークラブ内から流れ出している。「名瀬町小川アメニティ」として、横浜市が整備した。

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山すそに沿って流れる川の横には遊歩道が整備され、右手にはトウモロコシ畑が見える。

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サワガニを発見した。このあたりにはホタルも生息していて、6月ごろ西蓮寺付近で見ることができるらしい。

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左が名瀬川で、右から名瀬町小川アメニティーの流れが合流している。名瀬川の左には名瀬川遊水池(2期工事分)があり、増水した水が流れ込むようになっている。河口からここまでが二級河川部分で、遊水池は横浜市の施工・管理だ。

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栄橋から、名瀬川遊水池の1期工事分をのぞむ。1期工事は昭和63年度、2期は平成17年度に完成した。合計の貯水量は29,400m3である(横浜市web 横浜市の総合治水対策)。

栄橋には水位計とカメラが設置されており、横浜市のウェブサイトから常時確認することができる。

水位観測地点詳細情報(現在)

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白神社は、新編相模国風土記稿に「白明神社」の名で、名瀬村の鎮守と記載されている。珍しい名前だが、神奈川県神社庁のウェブページによれば、「白神社という名前は、当町松窪という所に大きな白蛇が居て、永年に亘り農地を荒していたので、村人は水神が白蛇に変じて戒め給うものと悟り、そのみたまを奉斎したのが創祀だと伝えられている」そうだ。

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擁壁の水抜き穴から伸びた雑草が風にあおられ、その跡が円形の筋になっている。これを雑草ワイパーと名づけてみた。2021年5月に世間を騒がせた、ニシキヘビ脱走事件の舞台がこのあたりだ。

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モツゴがたくさん泳いでいた。

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横浜新道の上矢部IC付近で、左から流れてきた阿久和川に吸収される。ここが名瀬川の終点だ。

(2021年6月記)